12、雑草という草はない

僕が「雑草という草はない」という言葉を最初に知ったのは、
有名な昭和天皇のエピソードではなく、
「雑草とは、その美点がまだ発見されていない植物である」
という謳い文句である。
出典こそ忘れてしまったが・・・


美点とはそもそも見出すものであり、
或いは作り出すものである。
それこそ、花に興味のない人間にとって、
花を贈る意味など理解できないのと同じだ。

Aさんにとって尊いものは、
Bさんにとっては無意味かもしれない。
だがCさんには非常に興味深いものであり、
Dさんには思い出したくもない忌々しいものかもしれない。


それが存在する価値がなくとも、往々にして意味はある。

「意味も理由も必要も価値もないもの」が、
この世界にはある、という前提で生きている僕ではあるが、
価値がなくとも意味があれば、
意味ひとつでも活かすのが、
この脆弱なる人間の理性にできる、
最も賢く尊い嘘なのだろうと思う。

雑草という草はない。

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